
ついにハワイ滞在も最終日を迎えた。 前回、生憎の雨で探索を完結できなかった火山国立公園。 本日こそは、である。
ところが、またも雨。 不運である。 しかし今日は最終日、我らは合羽に見を包んで探索を強行することに決めた。

雨の降りしきる中、数あるカルデラの一つに降り立つ。 地はひび割れ、盛り上がり、大地の激しい慟哭の名残が見られるが、今は冷たい雨と霧にひっそりと静まり返っておる。
この不毛の大地に根を張り、花を咲かせているのは、やはりオヒアの木である。 このオヒアは不毛の大地に先駆者として根付き、そのまま極相林を形成する。
極相林とは森林の植生が移り変わって行く先の最終形態で、日本では定着した概念だな。 例えばブナの森がそれに当たる(最も、極相林という概念は適当でないという考え方もある)。
ハワイの原生林は単にこのオヒアによって成り立っているといっても過言ではない。 その花はハワイミツスイなどの固有の鳥たちを支え、真に持ってオヒア様様なのである。

巨大なカルデラを囲む、そのオヒアの森に現れたミヤマハッカン。 キジの仲間は、ハワイでは概して狩猟目的でもたらされた移入種であるが、このような原生林にも生息しておるようだ。 このミヤマハッカンは、ハワイ島では農地など至る所に出没している様子である。
基本的にここの原生林は固有種が多いが、例えばメジロなどはしばしば見かけることがあった。 メジロは荒地から原生林までかなり広く分布しておるようだ。

ハワイ固有種のひとつ、ハワイツグミ。 力強く、”プチホケキョウ!”と鳴く鳥である。 このような雨の中、何とか運良く斬り撮れた嬉しい一枚。
この森で見かけたその他の固有種は、ハワイミツスイ・アカハワイミツスイ・ハワイキバシリなどが挙げられる。 嘴の大きく湾曲したベニハワイミツスイが見られなかったのが残念であったが、悪天候の中充実した探索を行えたのが嬉しかった。
以上で、デス次郎のハワイ探索行はおしまいである。 なかなかに個性的で充実した経験が出来たのではないかと思っておる。
今回の探索行で確認した鳥は60種に上る。 まだまだたくさんの鳥がおり、またぜひ見てみたいものもおるが、まずまず大満足と言えようぞ。
また、歴史的に見て非常に若いハワイ島の自然に触れることで、大地と生物の結びつきを改めて考えさせられたのは、思っても見ない収穫であった。 自然の歴史を紐解くとき、自然との関わりを考えるときに、この島々は大きな鍵を握っておるのかも知れぬな。
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