
庭に、コマツグミが訪れた。 木に実る赤い実を食べに訪れたようである。 木の赤い実は、(何の木であるかは知らぬが)年末にこちらに移り住んだときには既にたわわに実っておった。 庭には殆んど鳥も訪れることはなく、この木に実る赤い実も鳥たちの好みでは無いのかな、と想像しておった。 どうやら、冬も終わりに差し迫り、ようやく赤い実も食べごろになったというのが、本当のところであるようだ。

冬の終わりと言えば、最近、春の兆しをしばしば垣間見るようになった。 このコマツグミたちも、つい数日前から、さえずりを始めた。 ツグミ独特の美しい声を聞くのは本当に久しぶりである。 予がこの島へ移り住んだのが来年の夏であるから、この地では初めて彼らのさえずりを聞くことになるな。
温暖な地ではあっても、まだ早朝の空気の冷たさに変わりは無い。 鳥たちは、何に春を兆したのであろう。
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